
「法隆寺の鬼」「伝説の宮大工」とも呼ばれ、世界最古の木造建築「法隆寺」の大修繕を27歳という若さで手掛けた故・西岡常一さん。





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最後の棟梁と呼ばれた宮大工「西岡常一」さん
法隆寺の宮大工、故・西岡常一(にしおか つねかず)さんは、「法隆寺の鬼」「伝説の宮大工」とも呼ばれ、27歳という若さで世界最古の木造建築「法隆寺」の大修繕(1300年前の姿を復元)を棟梁として手掛けた方。





そして今回ご紹介する「大棟梁」は漫画本ですが、わたしが購入したときはAMAZONでなんと定価の2倍……という価格でした。
漫画「大棟梁(ビック錠・著)」を読んで
西岡さんは、鉄やコンクリートを使わない建築、つまり木材だけを使った修復にこだわりました。
それも、修復の条件に合った木を一本一本探すのではなく、建物の条件を木が生えている山の状態にあてはめて、山ごと買います。





また、太陽のあたるところに生えていた木は建物でも太陽のあたる方角に使い、同様に日陰で育った木は軒下などに使用するなど、「木を生育の方位のままに使う」のが大事と仰る棟梁。
これを知ったときは読みながら咄嗟に、「凄い」と声に出してしまいました。
西岡棟梁の有名な口伝
" 樹齢千年の木は千年もたせなければならぬ "
飛鳥時代の優れた木造建築技術を現代に伝える宮大工。数百年に一度という法隆寺の全伽藍解体大修理の棟梁を務め、奈良の名刹・薬師寺の金堂および西塔を1300年前の様式で再建させた。
「宮大工は1000年先を見据えた仕事をしなければならぬ」など代々法隆寺大工棟梁に伝えられてきた口伝の数々を語る。
引用:NHK
目に見えない技術の継承や、宮大工の哲学として受け継がれる西岡さんの口伝も有名です。
数ある口伝は、人材育成の指南書、会議やスピーチにも使える至言とも言われ、仕事に対する心構えとしても勉強になることばかり。
" 一人前の大工になるには早道はないということです "
大棟梁を読んでいると「時代は変わっても持つべき心得は変わらない」のだと、棟梁に言われているような気がします。
これから法隆寺に向かう方はもちろん、法隆寺に興味のない学生には特に読んでいただきたい一冊。
日本が世界に誇る宮大工の技を、あらためて多くの方に知ってほしい。そんな思いに駆られた漫画本でした。