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老後2,000万円問題について知っておきたいこと
金融庁が2019年に発表した「老後2,000万円問題」。











とはいえど……老後本当に2,000万円が必要かどうか、皆さんは考えたことがありますか?
また、あの報告書をお読みになられたでしょうか。
老後2,000万円が必要とされる数字の意味


出典:金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)議事次第
恒例夫婦無職世帯の収入・支出
- 引退して無職となった高齢者世帯の家計は、主に社会保障給付により賄われている
- 高齢夫婦無職世帯の実収入と実支出との差は、月5.5万円程度となっている
資料には上記のように書いてあります。
これはつまり、高齢無職夫婦の平均支出は月額約26.5万円。
年金を含む平均収入が月額21万円。











ただし、この数字が全員にあてはまる訳がありません。
支出を減らせれば、それほどの貯金は必要ないですし、反対に「余裕のある暮らしをしたい」場合は、2,000万円以上の貯金が必要になるでしょう。
老後2,000万円問題の落とし穴。報告書の「住居費」に注目






















老後までの間に家を買わず、老後を「賃貸住宅」で過ごす場合は当然「住居費」が膨らみます。
毎月13,656円で済むはずがありません。











果たして本当にそうでしょうか。
一生賃貸で過ごす人は住居費に注意しながら貯金する必要あり
確かに今後、住宅は確実に余り、賃貸住宅の家賃も下がると予想されます。
ですが……メンテンスが行届き、交通の利便性が良く、周辺環境にも恵まれた物件を必要とする場合、その家賃は「安い」と言えるでしょうか。











少子高齢が加速するなか、人が住む場所は自然と集約されていくはず。
となると、利便性の悪いエリアは放置されるかもしれません(既に今も始まっていますよね)
今もこれからも「賃貸」を選択する方は、住居費に注意しながら必要な貯金額を計算したほうが賢明です。
次項で具体的な数字を見てみましょう。
一生賃貸で暮らす人は老後に約5,000万円必要
5,000万円の内訳
1)60〜90歳までの30年間に必要な住居費
2,880万円
※家賃¥80,000で計算
2)無職世帯の実収入と実支出との差額5.5万円 × 30年間
1,980万円
(1)2,880万円+(2)1,980万円=4,860万円
60歳から90歳まで30年間に必要な住居費は、家賃8万円として2,880万円(更新料除く)
また、前述した高齢無職夫婦の毎月の年金補填額5.5万円は、30年で1,980万円。
住居費2,880万円と合わせると、約5,000万円の貯蓄が必要になる計算です。
一生賃貸のメリットデメリットを現役時代と定年後で比較
「一生賃貸は賢い」という声がある一方、「一生賃貸の末路」「一生賃貸の後悔」という不安も大きい昨今。
ここでは、一生賃貸のメリットデメリットを現役時代と定年後の2パターンに分けて見てみましょう。
現役編|一生賃貸のメリットデメリット
現役編|一生賃貸のメリットデメリット
メリット
- 状況に応じて引っ越しできる
- 自然災害による修繕費が必要ない
デメリット
- 老後が不安
- 家賃が上がる可能性がある
- 夫または妻がなくなっても住居費は保障されない
- 立ち退きを求められる場合がある
現役時代のメリットは、住宅ローンを組まないで済むぶん「気楽」と言える点にあります。
転勤、子供の誕生などに合わせ引っ越ししやすいことも同様です。
ですが、住宅ローンのような団体信用生命保険(※)がないため、万が一の事態が起きても住居費は保障されません。
※団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの返済中に万が一のことがあった場合、保険金により残りの住宅ローンが弁済される保障制度のこと。
定年編|一生賃貸のメリットデメリット
定年編|一生賃貸のメリットデメリット
メリット
- 相続税対策が必要ない
- サービス付き高齢者向け住宅などへの入居など住み替えしやすい
デメリット
- 家賃の負担が大きい
- 長生きするほど家賃がかかる
- 増改築できない
- 更新または入居を断られる可能性がある
定年後のメリットは住み替えのしやすさのみ。
年金収入のみの生活では、家賃の負担が大きいと言わざるを得ません。
病気や怪我で、例えば車椅子生活になっても自由に増改築できません。
一生賃貸に向いている人
ここまでの話をまとめると、一生賃貸に向いている人は下記にあてはまる人と言えます。
- 貯金があり、老後に備えられる人
- 実家を相続する人
また、収入や仕事が不安定な人も賃貸のほうが良いでしょう。
収入が不安定、仕事も不安定という人は住宅ローンを返済するのも大変なはず。
その点、賃貸生活するほうがリスクは軽減できます。
持ち家であっても老後の油断は禁物
持ち家を前提とした毎月の支出は13,656円とありましたが、この数字にも疑問を抱きます。
持ち家であっても、メンテナンスは必須です。
害虫対策や防水対策、外壁や屋根の修理があり、水まわりなどの設備も一定期間が経てば交換が必要。
また、これらに掛かるコスト以外に固定資産税もあります。
メンテナンス費と税金を合わせれば、月に必要な金額が見えてきますが、13,656円では足りない人も少なくないはず。
もう少し余裕を見て、貯金額を計算する必要がありそうです。
マンションは「管理費」「修繕積立金」が毎月必要
老後の生活を考えると、個人的にはマンションのほうが便利と考えていますが、分譲マンションは住宅ローンを完済し終えても「管理費と修繕積立金」が毎月必ず発生します。
その金額は、物件によりけりですが、少なくとも月に2〜3万円は必要です。
これも念頭に置いて、将来計画を立てなければいけません。
一生賃貸は賢い?メリットデメリット老後に必要な貯金額まとめ
ポイント
- 老後も賃貸を予定している人は住居費に注意が必要
- 年金支給額は減少する
- 寿命が伸びることも考えられる
少子高齢が進み続ける日本……年金は今後、確実に細くなるはずです。
また、老後の資産形成は、退職金の有無によっても異なります。
そのため、ある程度の生活費を貯金で賄うのは賢明な選択と言えますよね。
老後貯金をお金のプロに相談するのも一つの手
今後、いくら貯金に回せば良いのか……?
この問題は、仕事や育児で精一杯の現役世代にとって、なかなか難しい問題です。
そんな時は一度、お金のプロに相談してみるのも一つの手。
わたしも定期的に、保険や住宅ローンの見直しをしています。
ほけんのトータルプロフェッショナルがおすすめ
また、結婚、出産、住宅購入などの節目には、必ず保険と貯金の見直しが必要です。
まずは、保険を見直すだけでも効果大。
大きな節約、あるいは貯蓄に繋がるかもしれません。
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