
タワーマンションの階数格差は、2016年に放送されたTBSドラマ「砂の塔〜知りすぎた隣人」でも話題になりました。階数格差はもはや、好むと好まざるとに関係なく、付き合わなければならない問題なのかもしれません。
そこでこの記事では、タワマンに住む人の特徴をはじめタワマンのメリット・デメリット、そして買って後悔しないための対策についてまとめます。
タワーマンションの定義
タワーマンションと聞くと、画像のような超高層マンションをイメージしがちですが、実はタワーマンションに明確な定義はありません。
「低層」「中層」「高層」「超高層」を指す階数
3階以下 | 4階以上 | 6階以上 | 20階以上 |
低層マンション | 中層マンション | 高層マンション | 超高層マンション |
しかしながら、一般的には高さ60m(階数にすると20階)以上のマンションをタワーマンションと呼ぶことが多いようです。
そのため「タワーマンションって何?」と聞かれた場合は、20階以上の超高層建築物と答えて問題ないといえます。
参考:建築基準法20条1項一号
超高層マンションの建築には厳しい基準があるため構造的に優れている
超高層マンションは他のマンションと違い、国土交通大臣の認定を受けることが義務付けられています。

また、100m以上のタワーマンションになると緊急時に備え「屋上にヘリポートの設置が必要」になるなど、費用もかかります。
そのため、タワーマンションは他のマンションに比べて「構造的に優れている」といえます。
タワーマンションの階数格差
タワーマンションの階級格差は、階数が原因で起こります。
高層階と低層階でヒエラルキーができる
タワマンでも、中級規模マンションでも、低層階と最上階では、ヒエラルキーができると思う。1000万円、2000万円の格差は大きいです。
引用:どうしてお金持ちは「タワーマンション高層階」を買うの?
一見、優雅に見えるタワマン住民ですが、階数格差に悩む人は少なくありません。

本当は住宅ローンでカツカツなのに、高級ランチを食べたり最寄駅までタクシーを使うなど、周りの住人の目を気にし、無理をする住人が多いのは事実です。
タワーマンションの住人に共通する特徴
ここからは、タワーマンションの住人に共通する特徴について見ていきましょう。
「品のよい暮らしがしたい」人が多い

株式会社読売広告社による調査結果|出典:prtimes
調査の概要
- 調査時期:2015年9月
- 対象条件:30代~50代の女性/世帯年収400万円~1200万円台/金融資産1億円未満
株式会社読売広告社の調査によると、タワーマンションに住む人の多くが「品の良い暮らしがしたい」と回答しています。その数、約7割。
他のマンションに住む人に比べ、2倍以上の結果です。
また、「おしゃれな暮らしをしたい」という人も多いことから「ステイタスを求める傾向が高い」とも言い換えられるのではないでしょうか。
タワーマンションを選ぶ人は「多少の見栄を張っても良い暮らしをしたい」と思う人の割合が多いといえそうです。
「一生住み続けたい」と考える人は少ない

株式会社読売広告社による調査結果|出典:prtimes
タワーマンションに住む人の満足度は高く、住まいへの不満も少ないものの「今の家に一生住み続けたい」と思う人はたったの1.8%です。

それには「タワーマンションのデメリットが関係している」 というのがわたしの持論です。
タワーマンションのメリット

居住階別に調査した「マンションを選んだ理由」|出典:神戸市「中央区タワーマンション実態調査報告(平成27年度)
メリット
- 眺望が良い
- 虫が出にくい
- コンシェルジュサービスがある
- 住人だけが使える共用施設・共用設備が充実している
- セキュリティレベルが高い
タワーマンションの一番のメリットは眺望です。「気分が良い」「カーテン要らず」などの魅力もあります。
コンシェルジュサービスを提供している物件は珍しくなく「まるでホテル」のような暮らし方ができる点も大きなメリットです。
さらに「ゴミを24時間いつでも出せる」などの便利さもあります。高層階になるほど外部の音が聞こえにくくなるので、静かな点もメリットといえそうです。
タワーマンションのデメリット
デメリット
- 地震や火事のとき避難が大変
- エレーベーターの乗り降りに時間がかかる
- 風が強い
- 維持費が高い
- 子供が高所平気症になりやすい
※高所平気症とは、高いところに居ても恐怖を感じにくい心理状態を指す俗語のこと
タワーマンションは、「超」が付く高層マンションです。上階に住む人ほど、地震や火事が起きた際、避難するのに時間がかかるほか、状況によっては避難できない場合もあり得ます。

また、タワーマンションは共用施設が充実している半面、それを維持管理するコストも馬鹿になりません。
管理費・修繕積立金が他のマンションに比べ高くなるのは想像に難くないでしょう。
なお、子供が高所平気症になってしまい、転落する事故のリスクが高くなる点もタワーマンションのデメリットです。
タワーマンションを購入するなら、まずは賃貸物件に住んでみるのがベスト
タワーマンションのメリット・デメリットをどう捉えるか、こればかりは人によりますが、タワーマンションは前述したアンケート結果にもあるように、一生住み続ける住まいとしては適していません。
「それでも住みたい、購入したい」という人は、賃貸でまずタワマン生活を体験してからでも遅くはないはず。
タワーマンションのデメリットはそのまま「後悔」につながりかねないため、慎重に判断するのがベストです。
賃貸をおすすめする理由
賃貸をおすすめする理由
- 健康面での不安がないか確認できる
- ベランダがなく、窓を開けられない生活を試せる
- 豪華な共用施設や設備がライフスタイルに合うのか判断できる
どれだけ眺望が良いタワーマンションであっても「ベランダがなく窓を開けられない生活」と聞いて、あなたはどう感じるでしょうか。
また、強風あるいは構造上の関係で微弱な揺れを感じることもあります。

「タワーマンションを購入して後悔しないか不安」という人は、賃貸でお試し生活することを強くおすすめします。
タワマンに住む人は見栄っ張り?まとめ
「タワーマンションを購入しているのは、基本的にニューカマーです。
彼らは大学入学や就職のときに東京に出てきた地方出身者で、それなりに成功を収めた人。
年収1500万円くらいになり家を購入する際に、なぜか好んで湾岸のタワマンを買う人が多い。
だから湾岸のタワマンに住む人の職業は、IT関連や不動産関係が多いといわれています。
しかし私の知る限り、代々東京に住んでいる“本当の富裕層”は、湾岸のタワマンを投資用に買うことはあっても、自分たちが住むことはあまりありません」
「タワーマンションは成功の証」という価値観がある一方、昨今は「タワマン離れ」が増えています。
修繕にかかる多額の費用、人口減少による空室率の増加など、他のマンションに比べタワーマンションの不安は膨らむばかり。
華やかな生活を手に入れる代償は、予想以上に大きいと感じざるを得ません。
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