










目次
知っておきたい塗り壁の基礎知識
1. マンションリノベーションと塗り壁は相性が良い










- A:隙間があり、外気が入りやすい空間=木造戸建
- B:隙間がなく、気密性の高い空間=コンクリート造マンション
答えはB。
マンションはコンクリート造のため、木造の戸建に比べ隙間が少なく、床面積も限られていますよね?










つまり、戸建に比べ隙間が少なく気密性の高いマンションほど塗り壁がもってこいというわけなのです。
2. 塗り壁のメリットデメリット
塗り壁には多くのメリットがあります。デメリットは一つのみ。
塗り壁のメリットデメリット
- 調湿効果や消臭効果がある
- 静電気が起こりにくい
- カビが生えにくい
- 剥がれないため長寿命
- コストが掛かる
メリット. 調湿効果があり消臭効果も高い
中古マンションを内覧する際、臭いが気になる……という方は少なくないはず。
その多くは水まわりが原因ですが、塗り壁には臭いを分解する成分が含まれるため、このような生活臭にも効果を発揮します。
メリット. 静電気が起こりにくいため掃除が楽
壁をクロス仕上げにした部屋では、テレビなどの背面にホコリが溜まります。また、壁が黒くなることも……。
原因は静電気。
あまり知られていませんが、クロスよりも塗り壁のほうが静電気が起こりにくいため、見た目にも清潔で掃除も楽です。
メリット. カビが生えにくく快適な空間を維持しやすい
木造戸建に比べ、冬はマンションのほうが暖かいと言われます。
しかしながら断熱性能が不十分なマンションでは、結露やカビが戸建よりも多く発生します。
クロスは水を通さないため、結露によって壁紙がカビたり剥がれることもありますが、塗り壁はアルカリ性のため、たとえ結露が起こってもカビが生えにくい環境を作ることができます。
デメリット. コストが掛かる
クロスと塗り壁のコスト比較
- クロス:1平米あたり約1,000円
- 塗り壁:1平米あたり約5,000円
一般的なマンションの壁面積を180平米とした場合……クロスであれば18万円ですが、塗り壁だと90万円ほど掛かります。
メリットだらけの塗り壁ですが、最大のデメリットはコスト。
クロスに比べ工期が長く、施工費も倍以上掛かります。
3. メンテナンスが楽
静電気が起きにくい塗り壁は汚れにくく、基本的に日々のメンテナンスが必要ありません。
クロスのように穴が開いたり破れることもないため、寿命が長い点も塗り壁の魅力の一つ。
しかしながら、塗り壁が汚れた場合は水拭きで取れないこともあり、そのときは紙やすりで表面を削って汚れを取ります。
実例。リノベーションでゼオライトの塗り壁を採用した我が家
塗り壁材「ゼオライト」とは


出典:LOVEGREEN










使用したのは「ゼオライト」という塗り壁材です。
ゼオライトはギリシャ語で「ゼオ(沸騰する)」「ライト(石)」。世界で産出される鉱石であり、日本では北海道・秋田・岩手・宮城・福島・島根で産出します。
冷蔵庫の消臭剤など、身近な使用例に加え、福島の除染にも使われるなど、幅広い用途に応用できる自然素材。それほど有害物質(ホルムアルデヒドなど)の吸着性能が高い自然素材です。
秘密は、表面に小さく細い穴が沢山あり、その穴に有害物質が吸着されます。さらに、空気中の湿気を閉じ込めたり放出したりするため、調湿機能にも優れた性能を発揮します。
https://kenzai-digest.com/azwall/
ゼオライトと漆喰の違い


我が家の壁にゼオライトを試し塗りをしたときの様子
ゼオライトの特徴
- 調湿、消臭効果にくわえ、化学物質の吸着機能に優れている(アレルギー体質の方にも安心)
- 石膏ボードやクロスに直接施工可能
- 亀裂に強い
我が家は「ゼオライト」を採用しましたが、塗り壁といえば漆喰や珪藻土が定番ですよね。
素材によって特徴が異なるため、効果にも多少の差がありますが、いづれにしてもゼオライトはメリット大。










塗り壁にゼオライトを採用して思うこと
抜群の調湿効果と消臭効果


玄関の天井にもゼオライトを塗っています
実際に住んで実感しますが、消臭効果の高さには驚きです。
匂いが気になる料理をしても次の日には元通り。










反対に……良い香りまで吸収されるのか、ディフューザーなどを置いても香りを楽しむことができません(笑)
表現力の高い左官仕上げと陰影が良い


塗り壁にしたリビングの壁
立体感を感じられるテクスチャーもゼオライトの魅力です。










また、クロスでは見られない陰影も塗り壁にしかない良さ。
陰影のある空間は、それだけで素敵に見えると言っても過言ではありません。
施工後のひび割れが一箇所しかない










我が家も一箇所のみ、ひび割れてしまいましたが、そのほかの場所は全く問題ありません。
ひび割れの上からゼオライトを再び塗って補修しましたが、補修した部分だけ色味が変わってしまいました(泣)
割れの状態や場所によってはそのまま放置するほうが良いかもしれません(笑)
ゼオライトの塗り壁がおすすめな理由まとめ
まとめ
- 気密性の高いマンションとの相性が良い
- 調湿効果があり消臭効果も高い
- 静電気が起こりにくいため掃除が楽
- カビが生えにくいため快適な空間を維持しやすい
- メンテナンスが楽
「塗り壁にしたい。でも高い……」。
こう感じる方は少なくないですが、部分的に採用するのも一つの手。
また、イニシャルコストだけでなくランニングコストにも目を向けてみてください。
調湿性がありカビが生えにくく体に優しいという塗り壁は……長い目で見ると金額には換算できない価値があります。
コストがネックになるのは重々承知していますが、それでもわたしはマンションリノベーションにこそ塗り壁がおすすめだと思っています。
ゼオライトの施工風景はこちらから