
新築やリノベーションで直面する「巾木」問題。
そこでこの記事では、巾木なしのデメリットを解説。
巾木ありの場合と比較しながら、あなたが最終判断できるようポイントをお伝えします。













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巾木の役割
巾木とは
巾木とは壁と床の境目に取り付ける部材のこと。
先ずは巾木の役割について、おさらいしておきましょう。主な役割は二つです。
役割1. 巾木は壁と床の隙間を塞ぐ部材
賃貸、分譲を問わず多くの住宅には巾木が取り付けられています。













内装工事をする際、壁と床に隙間が生まれることは多々あり(※)ゴミや埃の侵入を防ぐ意味でも巾木を使うのが一般的。
掃除機を使う時も壁を傷から守ってくれます。
※施工が難しいこともありますが、温度や湿度で伸縮する木の特性を踏まえ、あえて隙間を設ける場合もあります
役割2. 巾木は壁を傷から守る部材













小さなお子さんが居るご家庭では、オモチャで壁を傷つけることも多いです。
その点、巾木があればクロスを破ったり汚したりするリスクを軽減できます。
巾木なしのデメリット
続いては知っておきたい巾木なしのデメリットについて見ていきましょう。
デメリット1. クロス仕上げの場合は湿気で剥がれることがある
住宅の壁はクロス仕上げが大半です。













一度クロスが剥がれてしまうと、元には戻しにくいため注意が必要です。
デメリット2. 掃除機をかけるとき壁が汚れる
壁際を掃除する時、掃除機は壁にあたりがち。
巾木を意識したことがない人にとってはピンと来ませんが、













「巾木なし」を採用する際は、掃除機のかけ方に工夫が必要になるでしょう。
デメリット3. ワックス掛けのとき壁に染みてしまう
定期的にワックスをかける場合は、壁にワックスが染みないよう気を使います。
あらかじめ養生をするなどして対策する必要があり、手間です。













そこから床を養生し、壁を設けていくため施工には手間がかかることも知っておきたいポイントです。
巾木なしのメリット
メリット1. 見た目がスッキリする
巾木なしのメリットは、何と言っても見た目の良さ。













また、素材やデザインによっては野暮ったく見える巾木もあるため、インテリア性を重視したい人にとって「巾木なし」は魅力的です。
メリット2. 埃が溜まらない
ビニール製を除き、大半の巾木には厚みがあります。













定期的に掃除する必要があるため手間がかかります。
巾木の素材と特徴
素材 | 特徴 |
MDFの基材 | 一般的な巾木。安価でパッと見は木のような見た目 |
無垢 | 無垢フローリングとの相性が良く、塗装、形状のアレンジがしやすい |
ビニール | ソフト巾木と呼ばれる巾木。安価でカラーが豊富な反面、見た目はイマイチ |
賃貸でよく見られる巾木の多くはMDFの素材、そしてビニールです。













また新築やリノベーションで巾木を付ける時は、無垢を採用する人も多いです。
巾木の納め方
- 出巾木:壁にのせるように納める(最も一般的な施工方法)
- 面巾木:壁と同じ面に巾木を納める
- 入巾木:壁よりも内側に納める
巾木は壁に部材を貼るだけに見えますが、納め方は主に三通りあります。
「一般的な施工方法がどうしても嫌」という方は、面巾木や入巾木(後述)を検討するのも一つの手です。
巾木なしのデメリットに対処しながらおしゃれに見せる方法













1. 巾木の代わりに細い部材を入れる


目透かし状(※)に施工します
細い部材、例えばアルミアングルを使った巾木であれば、通常の巾木に比べ見た目はかなりスッキリします。
ただし施工には手間がかかるため、対応を嫌がる会社(または大工さん)もあるでしょう。
施工費も高くなってしまうのが懸念点です。
※二つの部材の接合部分に隙間をあけること
2. 入り巾木を採用する
入り巾木とは巾木を壁の内側に設ける方法のこと。
通常の巾木は厚みのぶんだけ出っ張りますが、入り巾木は壁の内側に収めるため埃が溜まりません。
しかしながら施工には手間がかかるため、コストも高くなってしまいます。
3. 巾木の高さを低くする


我が家の巾木は高さ30mm 色はブラックです
巾木の高さ
巾木の高さは40mm、60mm、75mm、100mmが一般的
巾木の高さは上記が主流。
ですが高さを抑えることで、目立ちにくくさせるという手もあります。
壁の色あるいは床の素材と揃えれば、より馴染ませやすいです。
無垢フローリング×塗り壁の組み合わせは巾木なしを選択する人が多い
新築やリノベーションで床を無垢フローリングにし、壁をクロスではなく塗り壁にする人は多いです。
同時にこの組み合わせの場合、巾木なしを選択する人も少なくありません。
ですが前述のように、実際には入巾木にするケースも多く「一見、巾木がないように見せながら納める」という方法がほとんど。
巾木はないほうが見た目に良い一方で、巾木が果たす役割は非常に大きいため悩む方は、













という方法を採用するのが一番では?というのがわたしの意見です。