この記事では「中古を買ってリノベーションをしたい」「具体的な解体の様子を見たい」という方に向け、我が家を例に工事の流れをご紹介します。解体して分かった想定外のこと、リノベーションの費用相場についてもまとめています。ぜひ参考にしてください。
リノベーションは解体に始まり検査で終わる
リノベーションは主に「解体、再生、内装、美装、検査」の5段階に分かれます。
工事内容別に見ると下記のような流れです。
1. 解体工事
解体工事開始にあたり必ず行われるのが養生。
そしていよいよ解体です。
2. 大工工事
解体工事が終わったあとは、間取り変更に伴う大工工事がスタート。
軽量鉄骨または木材で、壁や天井の下地を大工さんが組みます。
3. 電気工事と内装工事
部屋の骨格を組んだあとは石膏ボードなどを貼り、壁の下地を作ります。
4. 美装工事と施主検査
美装とは、工事の終わりに家の中を綺麗にすること。
養生を全てはがし、家中を掃除します。
問題ないことを施主も一緒に確認し(=施主検査)リノベーション工事が終わります。
マンションリノベーションの解体工事を画像で見る
続いては「リノベーションの解体工事」に絞って、実際の工事の流れを見ていきましょう。
解体前
リノベーション前の我が家がこちら。
家じゅうの照明やスイッチ類が抜かれ、解体の準備を進めます。
キッチンやトイレなどの設備類もどんどん撤去。
解体開始
解体工事では壁や床を取り払い、柱と梁だけの状態にしていきます。
ここはお風呂。全ての設備を取り出し、配管や配線のみの状態へ。
解体工事中の廃棄物やゴミを集めながら、作業は進みます。
解体後
解体と廃材の搬出が終わると現場に入る職人さんが登場。
大工さんをはじめ、電気工事、給排水設備工事などそれぞれの職人さんが現場を調査し、これから始まるリノベーション工事をシュミレーションしていきます。
解体して分かったマンションリノベーションの想定外
自宅をリノベーションした際、毎日現場へ行っていたわたし。
何度見てもワクワクしっ放しでしたが「解体後の想定外」には流石に不安を覚えたことを記憶しています。
わたしが驚いたのは「梁のクラック」と「床の傾斜」です。
想定外1. 梁のクラック
我が家の天井はスケルトン。
スケルトン天井とは画像のとおり、コンクリートがむき出しの状態を指します。
「築31年の中古マンション。耐久性に難あり?」と不安を抱いたものの、現場監督によると、
との回答でした。築年数が経つと躯体の造りが雑でない限り、さらに大きなクラックが入るそう。
経年劣化と地震が原因だそうですが、我が家はSRCのおかげか天井にはクラックが見当たらず、梁に数カ所小さなクラックが見える程度でした。
こういう発見もスケルトンリフォームならではです。
想定外2. 床の傾斜
溝を境に、左側の床が少しだけ低いことをお分かりいただけますでしょうか?
ここを見た瞬間とても不安になりましたが現場監督よると「よくあることです。欠陥ではありません」とのこと。
そのため今も、部分的に床が少し傾いています。
これがもし「家具が傾く」「気分が悪くなる」などの状態であれば、工事が必要です。
リノベーションの解体工事で見て欲しいこと
ここでは「解体工事を見に行っても良いの?」という方に向け、ぜひ見て欲しいポイントを解説します。
1. 工事が予定通り進んでいるか
工事の詳細を理解していなくても、工程表通り進んでいるかは現場に行けば分かります。
工期通り進めば良いですが、場合によっては工事が遅れることもあるため、定期的に足を運ぶのがおすすめ。
また「見たい工事がある」という時は、事前に見学へ行きたいことを伝えておくとスムーズです。
2. 現場は綺麗に整理整頓されているか
「信頼できる施工会社かどうかは、現場を見れば分かる」というのがわたしの意見。
ゴミが散らかっていたり、機材がまとめられていない現場は仕事が雑な可能性大です。
心配な方は抜き打ちで一度、確認しに現場へ行ってみてください。
3. どんな職人さんが居るのか
職人さんとは言え相手も人です。
手抜き工事をすることは無くても、施主の顔を知っているのとそうでないのとでは違うはず。
現場でコニュニケーションを取れば、施工不良などのトラブル防止にも繋がります。
リノベーションの解体工事で注意すること
ここでは「工事中は何に注意すれば良い?」について3つ、ご紹介します。
注意点1. 子供はなるべく連れて行かない
工事現場には釘やビスなどの金物はもちろん、危険な工具もあります。
目を離した隙に子供が触れば怪我をすることもあるでしょう。
大人であっても足元や周囲の道具類に注意が必要なため、見学にお子さんを連れて行くのは避けるのがベストです。
注意点2. 職人さんの手を止めない
あなたが話しかければ、職人さんは快く対応してくれるはず。
ですが話が長くなれば、そのぶん手を止めることになり工事に支障が出るかもしれません。
コニュニケーションは程々にしつつ、職人さんが仕事しやすいよう心掛けることも必要です。
注意点3. 仕様変更や設備追加は職人さんに直接依頼しない
現場に見学しに行くと「やっぱり◯◯を変更したい」「予定していた工事と違う」ということもあり得ます。
そんな時は職人さんに直接依頼するのではなく、現場担当者や施工会社の担当者へ連絡をしましょう。
多くの場合、職人さんは現場で判断できない場合が多いからです。
解体して分かったリノベーションの想定外まとめ
何の問題もなく工事が進めば、それに越したことはありません。
ですがリノベーションは「解体して初めて分かることがある」のも事実。
そのため「予期せぬこともあるだろう……」と思っておくくらいが、実はちょうど良いかもしれません。
心配な方は瑕疵担保保険や工事のアフターフォローが手厚い不動産や施工会社を探すのも一つの手。