梁が多いマンションをみると「梁は少ないほうが良い?」「ギロチンマンションは避けるべき?」と気になる方が少なくありません。
そこでこの記事では、マンションに梁が多い理由や梁の少ないマンションの選び方をご紹介します。また、実際にギロチンマンションに該当する我が家についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
マンションの梁はなぜできるのか
マンションに梁ができる理由
- 天井には大梁(おおばり)や小梁(こばり)があるから
- 排気ダクトがあるから
マンションの天井には、実はあちこちに「梁型(はりがた)」と呼ばれる出っ張りがあります。また、梁型を含めて天井の一部が低くなる「下がり天井」の場合も多いです。
理由1. 天井には大梁(おおばり)や小梁(こばり)があるから
ポイント
- 大梁:柱と柱を接続する梁のこと
- 小梁:柱とは接続しない梁のこと
小梁は、大梁より小さいものの、室内の天井に出っ張ることが多いです。コンクリートの床スラブの振動を抑え、遮音性を高めるために大梁の間にかけられます。
理由2. 排気ダクトがあるから
「梁型」ができるもう一つの原因が、排気ダクトです。
我が家のようにダクトをむき出しにするパターンもありますが、マンションでは通常、排気ダクトをボードで囲います。
また「二重天井(※)」であれば、こうした大梁や小梁、あるいは排気ダクトなどの梁型をある程度、隠せます。
※二重天井は、コンクリート天井面に天井組みをし、数十センチ下げた高さに仕上げ面を設けている状態を指します。天井組みには軽量鉄骨や木組などがあり、この骨組みにボードを貼って仕上げ面を作り、電気配線などを通すスペースを設けます。
マンションの梁を図面で確認する方法
ポイント
- ラーメン構造:柱と梁を使って建てられたマンション
- 壁式構造:4つの壁と床、天井で建てられたマンション
詳細な間取図では、天井から出っ張っている「梁型」や、梁型を含めて天井の一部が低くなった「下がり天井」の箇所に、点線が入っています。
柱と梁で構成される「ラーメン構造」のマンションには必ず現れるものですが、表記が省略されることもあるので、間取り図で点線が見当たらない場合は、現地で直接確認してみてください。
※インターネット上の間取図は点線が入っていないことが多いです
間取り図で2本の点線が部屋の中央を通っていないか要チェック!
もし、間取り図の中央に点線が2本あれば、天井の真ん中に大梁がドンっと出っ張っているということです。
また、大梁の高さは住戸の広さや階数によって変わりますが、約60~70㎝となっています。高さによっては圧迫感があり、照明器具が設置しにくくなるかもしれません。
ギロチンはマンションの角部屋にできやすい
中住戸(角部屋ではない住戸)に比べ部屋は広くなるものの、梁の出っ張り具合によっては住み心地が変わるかもしれません。
そのため、角部屋のマンションを購入予定の方は、共用廊下側の部屋も現地で直接チェックしてみてください。
ギロチンマンションを避けたい場合は壁式構造の物件を選ぶ
前述のとおり、マンションの構造には「ラーメン構造」と「壁式構造」の二つがあります。
そのため「なるべく梁のない部屋に住みたい」という方は、壁式構造のマンションを購入するほうがいいかもしれません。
壁式構造のメリット・デメリット
壁式構造は、柱や梁ではなく面で建物を支えるので、凹凸のないすっきりとした空間になります。
しかしながら、建物を支える壁を取り払えない半面、大がかりな間取り変更やリフォームの自由度がラーメン構造に比べて低くなるのがデメリットです。
マンションの梁をインテリアに生かす方法
「大きな梁があるマンションは避けたい」と思っていても、マンションの躰体となる梁は、リノベーションやリフォームで撤去できるものではありません。
そのため、梁が気になる方は、梁をあえて空間に生かしてみてはいかがでしょうか?
マンションの梁を塗装する
まずは、梁を塗装する方法です。壁や家具にあわせて、好きな色に塗り替えれば、天井もアクセントウォールのように楽しめます。
マンションの梁に板をはる
マンションリノベーションでは、大きな梁に板を張る方法も人気です。床と一緒の木を貼るパターンもあれば、見た目や質感の異なる木を選んで貼り、その表情を楽しむパターンもあります。
【実例】我が家が購入したのはギロチンマンション
「この梁がなければいいのに」と思ったこともありますが、スケルトン天井にしたおかげで、今では特に気にしていません!
リノベーションで梁をスケルトン天井(むき出し)にし、圧迫感を軽減
リノベーションをする前まで、我が家のリビングは二重天井でした。
しかし、その状態では天井が低く圧迫感があるので、リノベーションを機にスケルトンにしています。
マンションが梁だらけ!ギロチンマンションまとめ
ラーメン構造のマンションを選ぶ以上、梁はどうしても現れます。
そのため、梁が気になる方は「どのように梁が出っ張っているのか」によって、物件を選ぶ必要があります。
角部屋ではなく中住戸(角部屋ではない住戸)にするか、壁式構造のマンションを選ぶのも方法の一つです。
後悔するかどうかは「梁を隠すか・生かすか」によっても変わるので、リノベーションやリフォームを前提としない物件購入であれば、壁式構造のマンションを選ぶのが一番ベストかもしれません。