我が家は2016年に中古マンションを購入し、フルリノベーションをしています。間取りは63㎡ 2LDKです。
夫婦二人暮らしにはちょうど良いと感じる半面、決して広いとはいえません。そこでこの記事では、我が家の例を交えながら、狭小マンションを広く見せるためのコツについてご紹介します。
狭小マンションをリノベーションする前の間取り
リノベーションをする前の我が家は、一般的なマンションによくある典型的な間取りでした。画像の中心にある居間(リビング)が9帖と狭く、とても窮屈です。
リノベーション後の間取り
我が家は、角部屋かつワイドスパンという物件です。バルコニー側の間口が広いので、西側のLDKは採光性が高いものの、東側に窓がないので玄関や水回りは暗い間取りとなっています。
リノベーションで狭小マンションを広く見せるためにできること
マンションを購入する際、希望する広さは大体「二人暮らしなら60㎡前後」「三人なら70㎡以上」が目安となると思います。
そうはいっても「実際はもっと狭い!」という間取りのために、ここからは狭小マンションを広く見せるためのポイントを詳しくご紹介します。
工夫ポイント1. 天井を高くする
賃貸・分譲を問わず、マンションの多くは「天井が二重」になっています(画像のとおり、本来の天井の間にもう一つ天井を設け、その間に換気用の配管や電気類の配線を通します)
二重天井は大体40〜50cmの高さになりますが、二重をやめれば当然、空間の体積が増えますよね? 床面積が同じでも体積の広がりによって、部屋は確実に広く感じられます。
工夫ポイント2. 間仕切りを無くす
リノベーションをする際、寝室や子供部屋などを「独立させたい」と思う方は少なくありません。しかし、そうするとどうしても「壁」が増えてしまいます。
そのため、狭小マンションの場合は天井いっぱいまで壁を作らないのもポイントです。天井と壁の間に「抜け」があれば、光はもちろん風通しも良くなり、見た目も大きく変わります。
工夫ポイント3. 室内窓を設ける
「壁の一部を無くすのには抵抗がある」「プライバシーを確保しながら、採光をとりたい」という方には、室内窓がおすすめです。
室内窓があれば、光と風通しの両方を確保できます。インテリアとしても一役買ってくれるうえ、のっぺりとしがちな壁面に変化を加えられるのも、室内窓のメリットです。
工夫ポイント4. 家具を減らす
一般的に、LDKには、ダイニングテーブルとソファの両方を置く方が多いです。広いLDKであれば問題ないですが、狭小マンションの場合は「ダイニングテーブルを置かない」という選択も効果的といえます。
あるいは、ダイニングテーブルを置く代わりに、ソファをやめて床座にするのもアリです!ダイニングテーブルとソファのどちらかがないだけで、広さも見た目の印象も大きく変わります。
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これは、窓の位置や天井の高さ、家具の置き方によって感じる広さが違うためです。つまり、大切なのは数字よりも「人がどう感じるか」という点にあります。
「狭い」を「広い」にするには光の採り入れ方と抜け感が鍵
窓の少ないマンションや窓を増やせない注文住宅なども、前述した「室内窓」で採光を増やすことは可能です。スキップフロアを取り入れて、ゾーニングするのも有効的といえます。
また、我が家も実際に室内窓を採用しましたが、これは本当に「大正解」だったと感じています。自然光が入るだけでなく、壁に表情が生まれるため、あって損はない内装の一つです。
狭小マンションに取り入れたいリノベーションのアイデア
ここからは「狭小マンションに取り入れたいリノベーションのアイデア」をご紹介します。いずれも、デザイン性と実用性を兼ねたヒントが詰まっていますので、ぜひ参考にしてください。
1. 小上がり
ポイント
- 中居室(中和室)に変化を持たせられる
- 収納スペースを確保できる
- 段差を生かして空間に境界線を作れる
「小上がり」は、マンションだけでなく、戸建にも採用されることが多いです。マンションであれば、中居室(中和室)を生かすことで、コストを抑えられるかもしれません。
また、段差を作ることで空間が自然と区切られ、ちょっとした椅子代わりにもなります。布団や衣装ケースなど、収納が少ない住居にもおすすめのアイデアです。
2. 壁面収納と寝室をセットにする
ポイント
- 一般的な壁面収納に比べ奥行があるため、大容量の収納スペースを確保できる
- ベットが不要
- 寝室以外に子供の遊び場や書斎としても使える
画像を見ると、クローゼットの一部をくり抜いたかのような空間ですが、マットレスを置ける程の奥行があれば、多目的に活用できます。
カーテンやロールスクリーンを設置すれば、目線も気にならず見た目にもスッキリします。
3. Rを取り入れる
ポイント
- 部屋を広く見せられる
- 子供やペットのための安全性に配慮できる
- 空間に柔らかくて優しい印象をもたせられる
曲線や曲面のことを指す「R」には、気持ちを和らげる効果があるといわれています。上記の画像は、部屋を完全に仕切るのではなく、アーチの壁の上部に開口をもたせたパーテーションタイプです。
天井が抜けていてドアもないため、圧迫感を感じさせずに、空間を間仕切れます。
4. インナーテラス
ポイント
- 眺望を楽しめる
- 室内干しや作業場にできる
- 子供やペットのためのスペースとしても活用できる
自然光がたっぷりと差し込むインナーテラスは、見ていて気持ちが良いものです。日当たりの良さを生かして洗濯物を干したり、ガーデニングスペースにしたり、ちょっとした寛ぎ空間として使う方もいます。
5. 土間
ポイント
- 自転車を家の中で保管できる
- アウトドアグッズなどの収納スペースとしても便利
- 汚れを気にせず作業できる場所を確保できる
「土間」といっても昔ながらの日本家屋にある土間ではなく、現代は収納あるいは趣味を楽しむための場所など、用途がさまざまあります。
床材を貼らず、土足のまま出入りできるため、玄関に取り入れる方が多いです。中には、リビングそのものを土間にする例もあり、昨今の「土間使い」は十人十色といえます。
6. 明かりとりと室内窓
ポイント
- 窓のない部屋に光を取り入れられる
- 圧迫感のない間仕切りを作れる
- 空間のアクセントになる
室内窓には、採光以外にもメリットが多いです。よほどプライベートな空間でない限り、室内窓を壁代わりにすると、明るいだけでなくインテリア性も高まります。
7. ガラスブロック
ポイント
- 窓のないスペースの明かりとりとして役立つ
- 気配を感じながらもプライベートを確保できる
- 圧迫感を軽減できる
お風呂、トイレ、洗面スペースにぴったりなのが「ガラスブロック」です。丸見えにならず、それでいて明かりを取れるため、窓のない水まわりやユーティリティーとも相性が良いでしょう。
画像のように、ニッチも合わせて造るのもおすすめのアイデアです。
8. 空間まるごとワンルーム
ポイント
- リノベーションのコストを抑えられる
- 部屋を広々と使える
- 家族とのコミュニケーションを密にできる
「ワンルームは、一人暮らし用の間取り」と思われがちですが、決してそんなことはありません。ファミリーであっても、あえてワンルームにする方がいたり、老後に備えてワンルームにするシニアも多いです。
プライベート空間が欲しい時は、カーテンやパーテーションで区切れば解決できます。
狭小マンションをリノベーションして快適に!
狭小マンションと聞くと「不便」と想像しがちですが、必ずしもそうとは限りません。
そもそも、マンションリノベーションには制限がつきものなので、広さもその一つだと考えれば、工夫とアイデアでカバーできます。
ご紹介した事例を参考に皆さんもぜひ「広さを感じさせない間取り作り」に挑戦してみてください。
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